スイスへ行こう!!(スイス列車の旅 )


私たちの今回の旅行はチューリッヒ空港から始まりました。私の過去2回のヨーロッパ旅行ははからずともチューリッヒ空港に降り立ちましたので、今回もヨーロッパの玄関口としてここを選んだのでした。使い慣れているというだけでなく、ここはスイスへの入口として良くできています。まず到着してすぐ市内への移動手段を探すのですが、渡り廊下でつながった道一本反対の建物が既に空港駅であり、そこでスイスパスをバリデートしてもらえば電車一本15分ほどでチューリッヒの市内へ直行できるのです。チューリッヒに到着する飛行機は日本からの直行便でも早くて18時ごろ着で、経由便に関してはそれ以降、私は22時ごろの到着となりました。そんな夜中にも鉄道の窓口は開いていました。日本では考えられないけど、窓口はターンテーブル式になっていて、マイクでやり取りし、職員と客は直接手を触れ合う事はありません。さすがに治安のいいスイスとはいえ、海外にいるんだ、という軽い緊張感を覚えます。

空港から駅ホームまでの移動にはカートが使えます。行き先もちゃんと表示をよく見ればホームの番号や出発時間が出ているので迷わないのですが、私たちは深夜に大きな荷物をひきずり、時差ぼけで眠くてたまらず、だけど妙に緊張感だけは高まっていたので、間違ったホームに下りて、しばらく無駄な時間を費やしてしまいました。夜だと最終電車を見送る羽目になりますのでどんなに眠くても表示だけはしっかり見て下さい。

そして過去の旅行で何度も利用したはずのチューリッヒ中央駅、でも深夜に利用するのは初めてで、おまけにヨーロッパ人の夏の長期休暇にかかってるせいか妙に人出が多く、熱気に包まれ、下りた瞬間思い切り腰が引けてしまいました。誰も彼もが怪しく視線を走らせているようで、はっと気が付くと後ろに人が回ってたりします。空港駅の両替所は時間が遅くてやってなかったけど、ここには自動両替機があったのを前回来た時確認していたので5千円ほど両替をしようかと機械に近づきました。順番が来て両替しようとしたら、横から見るからに怪しいおじさんが割り込んできて、気が付いたように私に使い方が分かるか、と聞く。知らない、と応えると、操作してやる、という。急いでるんならお先にどうぞ、というと別に急いでない、両替もしない、という。怪しい、絶対怪しい。1人でできるから、構わないでくれ、と言っても去らず、後ろから覗き込んでいる。時間も遅いし、さっさとやって逃げよう、たどたどしく操作しているとすぐにおじさんの手が伸びてきてパネルをこっちじゃないか、あっちじゃないか、と操作していく。両手でがっちりお札をつかんで投入し、受け取り口にお金が出てくる前に両手でブロック、出てきたお金を「ぐー」の形に握りしめ、おじさんに「教えてくれてありがとう」と社交辞令を言いつつぼーっと待ってる主人の元へ駆け戻りつつ振り向くとおじさんはにこにこしながら手を振ってました。結局、いい人だったのか、怪しい人だったのか。どう思います ? 一つだけ心に誓いました。こんな怖い思いをするくらいなら、次回は成田で食事代くらい最初に両替してこよう、って。

実はその後、両替騒ぎで目が冴えてしまった私達は夜中の0時を回っていたけど、街灯が明るかったので歩いて10分ちょっとのホテルまでスーツケースを転がしてたのです。ここでも私は今後、ホテルが見えてない限り、歩いていくのはもうよそうと思いました。なぜか、それは滑車には辛い路面電車の線路がでこぼこだったり、地図には現れない上り坂だったり、旧市街のレンガブロックで敷き詰められた歩道だったり。ちょっと暗いと地図は見えない、ランドマークも明かりが消えて、更にこの時はとどめで宿泊ホテルが外装改装中でホテルの名前が見当たらない、散々うろうろした挙げ句、開いていたビストロに場所を聞きに入ったら、そこの上がそのホテルでした。列車の旅とホテル、多少お値段が張っても到着日は駅のお近くをお勧めします。チューリッヒは幸いにも治安がいい方の街でしたが、勝手の分からない町では初日心配なくゆっくり休めるのがそれからの旅の善し悪しを左右しますから。

そして早朝のチューリッヒ駅。朝8時ごろ、やはりバカンスに行く人たちで切符売場も両替上も長蛇の列。整然と並んで順番を待ちますが、係員の方々がとても丁寧に説明をするらしく、列は伸びるばかり。スイスパスと組み合わせて買うとグリンデルワルト−ユングフラウ間の乗車券が25%オフで買えますが、ここの区間は結構高くて、2万円両替したのにあっというまになくなってしまいました。あまりの値段に「ちゃんとディスカウントしてくれました ?」と聞いたら、電卓を出して一生懸命説明してくれました。振り向くと長蛇の列。再び両替の列に並び、たまたま同じ係りの人に当ったら、「もう使い切っちゃったの ?足りなかった ?」と言われ、チケットが高かった事を伝えると、同情してくれました。振り向くとやはり長蛇の列。この日本にはないちょっとしたやり取りが原因の列なら今後多少並んでもいいかな、と思ってしまいました。限界はあるけれど。

そしてここの駅でもう一つ、初めてライゼゲペック、荷物を駅から駅に送るシステムを利用しました。やっとのことで広い構内に取り扱いの窓口を見つけけ、運搬をお願いした時に、大体翌朝までには着くと言われましたが、朝早く送れば夜8時までにはもらえるようです。(場所にもよります。接続の悪いところや荷室が混んでいて何本か見送る場合は24時間かかるそうです。皆さん、送る場合は余裕を見て下さいね。)大体の到着時間はしつこくお願いすれば調べてくれます。心配な人は更に保険を掛ける事ができます。ここまで色々聞けたのは、ここの係員の人は日本語がぺらぺらだったから。助かります。

そしてその夕方6時ごろ、ウェンゲンではホテルが少し上りで歩くので、荷物が届いて居たら一緒に持っていこうと尋ねて見たところ、届いている、ということ。実は、私たちがここまで乗り継いで来た電車の途中で自分達の荷物が移し変えられるのを何度か目撃してたので、先に着いているはず、という確信があったのです。保管所にある、ということですが、係りの人が誰も居ません。引き換え証をもって再び受付に行くと、勝手にもってっていい…だそう。治安が良すぎるのか、おおらかなのか…。

そして翌朝、このシステムがきちんと機能していることに安心して更に次の宿のあるヴェヴェイに送ったのです。この日も途中まで荷物の上げおろしを確認していたので、先に着いている事は分かって居ました。ヴェヴェイに着いたのは6時ごろ、ここのホテルは駅のホームとつながっていたので、先にチェックインして、夕食の買い物をして戻る途中で荷物を取りに7時頃荷物預かり所にいったでしょうか…。そしたら、なんと、クローズしているではないですか。表向きの営業時間は7時半までなのに、係りの人が帰ってしまったので荷物を出せない?時間前じゃないか、そんなの変だ、とねばったけれどもどうにも取り合ってもらえない。他にも困ってる人が見えました。ホテルに戻ってレセプションのお兄さんに相談したら、「よくあるんです、でもいつもどうしようもないんです、フランス語圏の人怠け者、ごめんなさいね。」と流暢な日本語で慰めてくれました。途方に暮れた時に聞く日本語は助かります。翌朝、8時半くらいにもう一度駅に行くと、ここは9時半からオープンだとやはり聞く耳もたずな態度。これには温厚な私もぷっつりと切れ、英語からフランス語に切り替え、後ろに長蛇の列を作りつつも、昨日クローズ時間前にしまって荷物は受け取れない、これから出発するのに電車の時間よりも後にならないと荷物が受け取れない、今日中に目的地に着けなかったら誰が責任とってくれるの?とやんわりと訴えると何故かその後丁重にすぐ荷物を出してもらえました。たどたどしくも現地の言葉で訴えるというのは効果があるみたいですよ。日本人はすぐに諦めると言われるので、しつこいくらいに粘ってみましょう。もしかしたら、前夜もあと30分ほど頑張れば出してくれてたのかしら。

電車の旅は意外と知らない人と譲ったり譲られたり、座席が隣同士で体が触れたりという事もあるので、まず相席になったり、視線があったりしたら、にっこり笑って「Hello」と言ってみて下さい、その後の居心地がぐっと良くなるはずです。駅から出た上り道の所でスーツケースを押しながらぜーはーしていたアメリカの女性とお互い顔を見合わせて「たいへんね」と笑ったらその後4度くらい彼女と偶然出会いました。知らない土地で、懐かしい人に会ったような気分で会う度に嬉しくなりました。但し、酔っ払いには注意して下さい。一度隣のボックス席の一団がお酒を飲んで盛り上がってしまい、何かとこちらに話しかけてきて困った事がありました。ちょっとお酒臭くて、他の人たちも迷惑していたようです。「フランス語は話せないのか ?」といわれ、話せない、分からない、とフランス語で応えたら残念だなぁ、ですって(周囲の人は気が付いて笑ってましたが)。関わりあいたくない人とは、きちんと距離を置くのも快適な旅の方法です。また、東洋人=日本人のイメージが大きくて最初の頃「こんにちは」と声を掛けると中国や韓国の方でびっくりということが多々ありました。日本語の会話が聞こえてこなかったらまず「Hello」から始めましょう。

スイスに駅弁はありませんが、サンドイッチとフルーツ、飲み物を売っているお店はたくさんあります。ただ、私の経験上、お店の位置が駅のホームに近づいていくほどまずくなっていく傾向にあるようです。チューリッヒ中央駅の構内ではノルウェー・シーという名前だったと思うのですがシーフードのお店のテイクアウト用のサンドイッチがどれもこれもおいしくて外れ無し、サラダなどもテイクアウトできます。駅前にはcoopというスーパーマーケットがあり、この一角でもテイクアウト用のお惣菜やパンを扱ってます。ドリンク類が安く、ヨーグルトの種類が豊富です。あちこちの駅前に大抵coopがありますので、サラダやサラミ、パン、ビールを買い込んで電車内でよく食べました。手を掛けずに食べられるものはたいして種類が豊富というわけではないけれど、夜きちんと食べようとした時には、電車内で軽くサンドイッチをつまむのはなかなかいいですよ。スイスではありませんが、ドイツのミュンヘン中央駅のテイクアウトコーナーはどれも外れが有りませんでした。日本人が好きな冷えたビールというのはほとんどなく、どれも生ぬるいけど苦みが少なく抵抗なくおいしく飲めました。ミュンヘンはビールの街だからその辺で缶ビールを売っているだろう、とたかをくくったら大間違い。どうも、アルコールはビアホールのようなところで飲むものらしくて普通のお店ではまったく扱ってないのです。ホテルの近くで買おうと思って探したのになくて、再び駅に戻ってビールを買い込んだ思い出が有ります。

トイレは大抵きれいでトイレットペーパーも完備されています。最近の駅ではチップ制の所が増えてきたらしく、以前無料だったところもコインが必要になりました。ドアの所にコインを入れると鍵が外れて中に入れるのです。切迫している時には結構辛いものです。あんまり小銭を作らないように旅をしていると、こういう時に困ります。多少は手にしていた方がいいでしょう。

駅構内の治安は、大きな駅になればなるほど怪しい人が増えてくるのは日本と一緒です。常に荷物に手をかけて、お金を見えるように出してはいけない、という教えの通りに気を付けて旅をした分には大丈夫でした。ただ一度、モントルーの駅構内で、アジア系の少年2人がじーっとこっちをみてるのです。気づかれないようにはしているものの、明らかにみてるのです。こちらも知らんぷりをしながら荷物に気を付けて列車を待っていると二手に分かれた少年が、いつのまにか後ろに回り込んで近づこうとしているのです。こっちは警戒してるんだぞ、とアピールしつつくるっと後ろを振り向くと、また別の少年が反対側から後ろに回り込む、という感じ。場所を移動してもなんとなくついてくるし、あんまり人気の無いところだとよけい危ない、10分くらいそういう睨み合いが続いて、電車が入ってきてすぐ飛び乗ると、やっと諦めて別の東洋人にねらいを変えました。気を付けましょう。

スイスの駅は小さな駅でも窓口で両替できたり、カードが使えたりとかなり利便性が高いものと思われます。私は移動が無い日でも、電車に乗らない日でも、トイレを借りる為だけにでもしょっちゅう近くの駅に行きました。日本のような改札がなくて、ホームにも簡単に上がれる開放感がたまりません。情報が常に集まるところであり、分からない事は駅員さんが丁寧に教えてくれます。お腹が空くと、サンドイッチを求めて駅構内に入ってみます。鉄道は移動する電車だけでなく、駅という情報ステーションも楽しいのです。ぜひ、ヨーロッパへ行ったら少しお目当ての電車より早く駅に行き、駅の中や外をぶらぶらしてみてください。思わず微笑んでしまうような出来事が待ってるかもしれませんよ。

今回スイスを重点的に回ろうと思ったのは、気合いの入った観光国家だから旅行が楽しいだろうということと、あらゆる山の頂点に自力で歩く分にはほとんど平行移動のみで到達できる乗り物国家でもあるから体力のない私でも無理なく旅行できると想像したからでした。スイスパスにはそれこそ誇らしげに路線が縦横無尽に書き記され、割引もかなりの場所で効くようです。

日本を出発する前に、ゴールデンパスパノラマと氷河特急、食堂車の予約はしておきました。両方とも人気のある列車で、更に全席指定なので満席の場合は座れない事もあるからです。それに乗るからにはちゃんとパノラマ車両に陣取りたかったし、行くからには美しい景色を一つたりとも見落としたくなかったですし。それ以外のローカル電車は少なくともファーストクラスは一車両に2組ほどの乗客が居れば多い方でしたので、逆にスイスパスで気の向くところで乗り降りした方が楽しいかもしれません。

いくつか乗った電車の中で、IRというカテゴリーのローカル電車の様子は色々で、チューリッヒから乗った車両はその辺の上級カテゴリーの電車よりも近代的で立派、きらきらとした2階建て車両でした。座席幅もゆったり、イスの配置も様々で、サロン風の配置のシートもありました。何より驚くのは振動が少なく静かな事。日本の電車のウォークマンの音も聞き取れない程の騒音と横揺れに慣れていたので、逆に静かすぎて最初は落ち着きませんでした。人が少ないので時には足を向かい側のシートに載せてみたり。ゆったりです。私は身長154cm、小柄なわけで足が常に床から浮き上がり、ひざの裏がしびれることもありました、ゆったりシートはいい事ばかりでもないようです。トイレは車椅子でも入れるくらいのスペースで、ぱっと見るからに近代的な感じがしますが、こちらではトイレは線路に垂れ流し方が主流のようで、あまりの走行の静かさにまさか停車してるとは思わなくて、いくら水を流しても流れなかった、なんてこともありました。モントルーからブリーグの辺りまで乗った南の方のIRは昔ながらの重厚な色と造りで、これはこれで旅情を誘う乗り物でした。

登山列車はユングフラウ方面にいくつか乗り継ぎましたが、一番感激したのがクライネシャイデックからラウターブルンネン迄の急勾配を上り下りする電車のシートで、勾配がきつい為、向い側に転がらないよう片方だけ「レ」の形になってるのです。そういえば前回の旅行でロカルノからドモドッソーラまで乗ったチェントバーリ鉄道ではボックス席の間が狭いので、膝と膝が当らないよう互い違いになってました。登山列車は私鉄が多いので、その会社のポリシーや遊び心が伝わってくるようで大好きです。有名な氷河特急の傾いたワイングラスなんて粋な遊び心ですよね。今回食堂車に行きましたが、普通のワイングラスがセットされてました。実の所は勾配よりも横揺れが敵のようで、ビールの瓶が飛んでいかないように作り付けのホルダーがセットされていました。

氷河特急は、ツェルマットからクールまたはサンモリッツまでを走る登山列車です。特急とは名ばかりで、鈍行とすれ違うためにいつまでも停車してたり。後日、線路沿いに走っていた車の中から列車が近づいて来る様子を撮影しようとビデオを回して待ってるのにぜんぜん近づいてこなかったり。だけど連結されているパノラマ車両は窓ガラスが長く伸びて天井にかかる部分まで景色を楽しむ為の特急なのです。こののんびり速度が一番景色が堪能できていいのかもしれません。ところで、パノラマ部分は実は、窓際の人の為に有るのではなく、どちらかというと通路側の席の方、絶景と逆側に居る人の為のものなのです。私たちは窓側で更に絶景側だったのですが、その日は雲一つ無い晴天。直射日光が容赦なく照り付けて、もう逃げ場がないのに通路側の席の方達は丁度天井の影に入ってすずしげに景色を眺めてました。車両幅が狭い上に、横4列の狭い座席、ボックス型の為窓側向かい合わせだった私たちはトイレに行くのにも一苦労。隣のカップルが向かい合わせで2人の世界にどっぷりつかり、手を握り合ってたら日本人としてはなかなか「失礼」と割ってはいれないじゃないですか。といわけで、再度氷河特急に乗る機会があったら、今度は通路側を指定してみたいと、サングラスと帽子をかぶりつつ、思ったのでした。

氷河急行の最大の目玉といえば、食堂車でしょう。そもそも、朝から夕方まで一日中電車に乗ってとにかく美しい景色を見ていたら、贅沢ですが飽きてしまいます。「食堂車でお食事」はちょっとしたイベントなのです。食堂車は後の方に付いてる事があるので、この移動がちょっとすごいのです。時間になるとウェイターが呼びにきてくれるのですが、彼を先頭に十数名が一列になって食堂車を目指して揺れる車内を行進していくのですから笑っちゃいます。見てる人も笑ってました。私たちは日本から予約していったコースを食べました。たいした物は出ないだろうと高をくくっていたのですが、意外とこれがボリューム満点。付け合わせはお代わりができますし、朗らかなウェイターが片言の日本語で「オイシイ?オイシイ?」と言いながら隙を見てはお代わりを皆の皿にてんこもりにしていきます。最後にはケーキまで出て満足満足。何だか分からないけど、幸せな気分になりました。氷河特急を堪能した、という達成感みたいな満足感が涌いてきます。そして食べたら次は皆さんお手洗いに散っていったのですが、今度はどこも長蛇の列。一度入ったら10分は出てこない。というのもやはり登山列車だけあって横揺れが激しく、なかなかきちんと座っていられないらしいのです。狭くて直立しているのも大変でした。ミニサイズの私でさえそう思いました。ほんと、列車の旅は根性が要ります。根性といえば、途中、フルカ峠をくりぬいたフルカトンネルを通ったのですが、結構長いという事なので、何分かかるか時間を計ろうと、入口で時計を見て、次に気が付いたらとっくに隣の駅に着いてました。しばらく暗くなると眠くなるもんですね、ほんと、根性要ります。(実際には15分ほどかかっていたようです。)

ゴールデンパスパノラマは途中ツバイジンメンで乗り換えます。乗り換えたた後の列車がパノラマ車両になるのです。こちらは結構近代的で、モニターがあちこちにあり停車駅の案内や、観光案内を流しつづけ、座席も1列2人向かい合わせの席が取れたので、気兼ねなくゆっくりできました。ほぼ満席の車内で面白い現象に気が付きました。スイスの人が多いのでしょうか、ドイツ語が得意な人とフランス語が得意な人がそれぞれの言葉で話をして会話が成り立ってます。最初はドイツ語の比率が多かったのに、フランス語圏に入って来ると、何故だかフランス語の比率が上がってきました。乗客は誰一人と変わってないのに。日本人が移動する時、大阪が近いから大阪弁に変わったりしませんものねぇ。大国に囲まれた不思議な国スイスの一端を垣間見た気がします。

列車の旅をしている間、いつも気になってたのは遠い国からきてるがために大きなスーツケースを常に引っ張り回さなければならない事。荷物なんて現地調達で間に合うわ、というバックパッカーの域にはまだまだ達していなかったので、観念して大きなスーツケース2人分を駅から駅へ送ってみたり、列車の荷物置場に押し込んだり、ホテルまでぜーはーしながら押していったり苦労しました。たいてい電車の中では色んな形で荷物を置く場所が確保されて居ました。中にはボックス席の背もたれと背もたれの間に押し込むように絵で表示されているところもあったりと、ほとんど置き場所には困りませんでした。帰国の際に、チューリッヒで縦横無尽に走る路面電車のトラムを使って空港方面に移動したのですが、これにも一番最後の車両にベビーカーなど大きな荷物を置くスペースがあって、荷物を持って駆け上がる元気さえあれば大丈夫です。ただ女性の場合は持ち上げられなくて困っていると、大抵、近くの男の人が駆けつけてきて助け上げてくれます。そういえば、初めてヨーロッパへ旅行に行った時も、30キロあるスーツケースを持ち上げられないから寝台車の部屋の中に立てかけて置こうかと思っていたら、たまたま通りかかったスペイン人のおじさんが天井の荷物置場まで持ち上げてくれ、翌朝、わざわざ降ろしに来てくれ、チケットを見て同じ駅に降りると分かったら、ホームにまで下ろすのを手伝ってくれました。(彼の荷物はお出迎えの秘書が捧げ持っていったので、そこそこ偉い方だったのかもしれない)ヨーロッパは女性には特に旅行しやすい所だと思います。困っていると誰かが助けを申し出てくれます。なかなか、またスーツケースを引きずって電車で旅しよう、なんて気になることはないですよ。日本の電車で旅行するのも億劫な私がそんな気になれるヨーロッパの鉄道旅行、一度、行ってみませんか ?


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COPY BY KOMATANI IZUMI (2001SUMMER)

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